【ネタバレ注意】舞&ジニー、ファクターエピソード感想
この記事は舞、ジニーのファクターエピソードのネタバレを含みます。
それ以外にも他のキャラクターのエピソード、アリスギアマガジンのネタバレを含みます。ご注意ください。
舞ファクターエピ感想
削除したはずのタマタマの踊ってみた動画、その切り抜き動画が投稿されてしまった事を切っ掛けに落ち込む舞。
励まそうとして言葉を重ねるほどに、舞を追い詰めてしまうジニー。ここら辺のやり取りから察するに、ファティマ絆はこの後の出来事と見受けられる。
瞳が真っ黒に染まった内なる舞。今までの舞関連のエピソードから、彼女のストレスを増幅させる一因として「周囲の優しさ」があるのは間違いない。
優しくされる価値のない(と、感じてしまっている)自分に向けられる優しさや愛情に、心が耐えられないのであろう。心の中に生み出したもう一人の自分に、自分自身を責めさせ、罰する事でバランスをとっているのかもしれない。
時系列についての考察
舞の絆エピソードラストで復活したはずのタマタマの動画が消えたまま、とも取れる描写があったりするのが少し引っかかる。
ちょっと苦しい解釈だが
①タマタマの踊ってみた動画削除(舞絆エピ3)
②タマタマの正体が舞だと隊長にバレる(舞絆エピ4)
③ぞーさんによるダンス動画と成子坂内での舞=タマタマ疑惑(舞絆エピ4)
④ゆみ&楓による取り調べ。その夜にタマタマの踊ってみた動画復活(舞絆エピ5)
の流れなので、②と③の間の出来事と解釈すれば辻褄は合う......まあファティマの加入までに夏コミマ2回、冬コミマ1回があったりするので、トライステラ☆関連の時系列はおおらかに考えるべきなのかもしれない。自分はコナン時空(漫画『名探偵コナン』は作中で何度も四季が巡っているが、時間は半年程しか経過してないらしい)で片付けたが。
コッペリアと砂男
エピソードの冒頭で彼女たちが鑑賞したバレエの演目『コッペリア』
『コッペリア』は、少女スワニルダの婚約者のフランツが、人形とは知らずにコッペリアに恋をしてしまう事から始まる物語。あくまでも物語のメインはスワニルダとフランツ。舞のエピソード内で言及されたように、人形のコッペリアが最後に人間となるエンドや、コッペリアがバラバラになったまま捨て置かれるエンド等がある。
エピソード最後に言及される『砂男』。
『砂男』はE.T.A.ホフマンの短編小説。バレエのコッペリアはこの小説をヒントに生まれたらしい。主人公のナタナエルは幼少期のトラウマによって精神を病みはじめ、人形とは知らずにコッペリアに恋をする。最終的にナタナエルは周囲の人の支えも虚しく発狂して死ぬ。
舞にとっては、ナタナエルの最期は自らが辿るかもしれない未来の姿であろうし、『砂男』を下敷きに生まれた『コッペリア』は希望の象徴といったところか?
ジニーファクターエピ感想
平和な温泉旅行の相談から一転、ジニーの従兄、イーサン・グリンベレーの登場。
ALICEを破壊する方針に踏み切った全米連合。ジニーの古巣である第1アクトレス特殊部隊も動き出している事を知らされる。
恐らく、ジニーがALICEの探索と破壊に成功しなかった場合、ヴァイスの大規模侵攻の混乱に乗じて、東京中の全てのアクトレスを捕らえて殺す事になる。
ヴァイスの大規模侵攻までもう時間が無い現状で、自分の行動に多くのアクトレスの生死がかかっている事に、ジニーは耐えきれるのか?どんな選択を下すのか?
ジニーとイーサン
ジニーの従兄、イーサン・グリンベレー。プロパガンダをそのまま喋っているかの堅物の青年。
そんな彼を、ジニーは「変わった」と評する。
かつては同じグリンベレーの家に生まれた子供同士、周囲からのプレッシャーや息苦しさを共有する事の出来る善き友人だったのか?
「幼稚な私はもういない」とイーサンは言う。
恐らく彼は、自分のやってきた任務、これから行わなければならない作戦の数々を、「祖国のため、人類の未来のために必要なものだ」と割り切ろうと決めた。
グリンベレーの一族として覚悟を決めて変わってしまった……ということなのだろうか。
プロパガンダからそのまま抜き取って来たような言動は、自分自身にそう言い聞かせているのかもしれない。
ジニーもイーサンのように、自分を納得させようとした時期があったのだろう。それが出来なかったからこそ、今の彼女があるのだが……
ALICEと人類
境界福祉法やムーンシャードの地球時代再現の方針は、ALICEによるものであると改めて明確になった。現状でもALICEの影響下から脱する事ができず、それ故に全米連合はALICEを完全に破壊しようとしている事も確定した。
ALICEが人類から地球脱出当時の科学技術を取り上げたのは何故か?
やはりアリスギア冒頭での「混沌の果実を選んだ人類とは戦う以外に道はないから」という楓の台詞が引っかかる。ALICEが人類から取り上げた科学技術の中に「混沌の果実」があるのかもしれない。
だからこその光
今回のファクターエピソード、両者ともに抱えている問題が解決するような内容では無く、彼女たちの悩みや苦しみがより詳細に描かれたという内容だった。
彼女たちのファンの一人として、その内容に胸は痛むが、エピソードの内容には非常に彼女達らしさに満ちていて素晴らしかった。
彼女達の心の傷は、彼女達が自分らしく生きた結果についてしまったモノでもある。
ジニーはその優しさ故に、自分を正当化する事が出来ず心を病んだし、舞はその気高さ故に、自分の挫折を許すことが出来ずに自身を追い詰めるようになった。
もしかしたら、彼女らの悩みや苦しみは一生続くのかもしれない。だがきっと、それでいいのだ。辛いけれども、生きてるってそういう事だから。
終わり
書きなぐり気味で申し訳ないですが、舞&ジニーのファクターエピソードネタバレ感想以上です。
ジニーのエピソードについては、次号のマガジンでの『円環のトーテンタンツ』で幼い頃の様子を知れたらまた印象が変わってくるんじゃないかな?って期待しています。
イーサンについては結構好意的に解釈してしまいました。願望も入ってますけれど、ペンタゴンの側にも信頼できた人間がいたからこそ、ジニーはあんなに優しい子になったのだと思いますし……
ではまた、気が向いた時に何か書きます!